パソコン有償譲渡会は詐欺?プロが解説する闇と実態

パソコン有償譲渡会は詐欺?プロが解説する闇と実態。

パソコン有償譲渡会は詐欺?プロが解説する闇と実態。

パソコン有償譲渡会は詐欺なのか、チラシを見て不安に思っていませんか?この記事では、運営している販売会社はどこ?

反社という噂は本当なのか、といった基本情報から、なぜ怪しいと言われるのか、ネットでの評判を調査し、話題になった動画と闇の存在までを深掘りします。

これがパソコン有償譲渡会が詐欺と言われる理由です。やばいと言われる低スペックPCの実態、公開されないPCのスペック情報、販売価格は適正なのかをプロの視点で徹底分析。

なぜプロは買わないのか、購入はあくまで自己責任で判断するために必要な情報を提供し、最終的にパソコン有償譲渡会が詐欺かの最終判断を下すお手伝いをします。

この記事で分かること

  • 譲渡会を主催する団体の実態と評判
  • 「詐欺」「怪しい」と言われる具体的な理由
  • 販売PCのスペックと価格の妥当性
  • 後悔しないための専門家視点での最終判断
目次

パソコン有償譲渡会は詐欺?噂の真相

  • 運営している販売会社はどこ?
  • 反社という噂は本当なのか
  • なぜ怪しいと言われるのか
  • ネットでの評判を調査
  • 話題になった動画と闇の存在

運営している販売会社はどこ?

運営している販売会社はどこ?

パソコン有償譲渡会を主催しているのは、一般社団法人 日本電子機器補修協会という団体です。通称「JEMTC(ジェムテク)」と呼ばれており、愛知県名古屋市に本部を構えています。

この団体は、企業のリースアップパソコン(契約期間が終わったレンタルPC)などを再生し、全国の公共施設や商工会議所などで有償譲渡会を開催しています。

公式サイトによると、その目的は「限られた有効資源の活用と、温室効果ガス(CO2)削減」を掲げる社会貢献事業の一環とされています。

法的に認められた事業者

JEMTCは、中古品を売買するために必要な「古物商許可」を愛知県公安委員会から取得しており、個人情報を適切に扱う事業者として「プライバシーマーク」の認定も受けています。法人として登記され、正式な許可のもとで活動している事業者です。

全国の主要な商工会議所の会員でもあり、組織の概要を見る限りでは、公的な許可や認証を受けた団体であることが分かります。

反社という噂は本当なのか

反社という噂は本当なのか

結論から言うと、JEMTC(ジェムテク)が反社会的勢力であるという事実はありません。これは、ネット上の一部で広まった根拠のない噂です。

前述の通り、JEMTCは公安委員会から古物商の許可を得ており、これは反社会的勢力と関係がある団体では取得できません。さらに、個人情報の厳格な管理が求められる「プライバシーマーク」を取得し、定期的な外部監査を受けています。もし不正な活動があれば、これらの認証は即座に取り消されます。

過去には地上波のテレビCMを放映していた実績もあり、社会的な信用度という点では一定の基準を満たしている法人です。「反社」という噂は、後述するビジネスモデルへの批判から派生した、事実に基づかないものである可能性が極めて高いと言えるでしょう。

なぜ怪しいと言われるのか

なぜ怪しいと言われるのか

JEMTCは法的に問題のある団体ではないにもかかわらず、なぜ「怪しい」という評判が立つのでしょうか。その主な理由は、巧みな言葉選びと、誤解を招きやすい表現にあると考えられます。

巧みなキーワードによる権威付け

チラシやウェブサイトで多用される「官公庁払下げ」「大企業で使用」「一般社団法人」といった言葉は、パソコンに詳しくない消費者に対して、公的な事業であるかのような安心感や信頼性を与えます。

しかし、実際にはJEMTCは民間の団体であり、官公庁との直接的な提携関係はありません。「官公庁で使われていたPC」を仕入れて販売しているに過ぎないのです。

「販売」ではなく「有償譲渡」という表現

「販売」ではなく「有償譲渡」という表現

「販売会」ではなく「有償譲渡会」と銘打ち、「パソコンをお譲りします」と表現することで、商業的な営利目的のイベントではないかのような、柔らかい印象を与えています。

しかし、実際には有償、つまりお金を払って購入するわけですから、実質的には「中古パソコンの販売会」です。この表現により、消費者が価格の妥当性を冷静に判断しにくくなる効果を狙っているのではないか、という指摘があります。

ネットでの評判を調査

パソコン有償譲渡会に対するネット上の評判や口コミは、肯定的な意見と批判的な意見の両方が見られます。参加を検討する上で、両方の側面を知っておくことが重要です。

良い評判・口コミのポイント

  • 保証期間が2年間と長い:通常の中古PC販売店(平均3ヶ月〜1年)と比較して、長期の修理保証が付いている点に安心感を覚える声があります。
  • 10日間の返品期間:万が一、製品に不満があった場合に返品できる制度が設けられています。
  • 対面で質問できる:PCに詳しくない人が、スタッフに直接相談しながら選べる点をメリットと感じる人もいます。

悪い評判・口コミのポイント

  • 価格が相場よりかなり高い:同程度のスペックの中古PCが、専門店では半額以下で買えるという指摘が多数あります。
  • スペックが著しく低い:販売されているPCの性能が古すぎて、現代の用途では快適に使えないという声が目立ちます。
  • バッテリーが機能しない:ノートPCにもかかわらず、「バッテリーは充電機能を有しません」と同意書に明記されており、電源に繋ぎっぱなしでないと使えないケースがあります。
  • 支払いが現金のみ:クレジットカードが使えない点を不便に感じる意見も見られます。

全体として、パソコン初心者にとっては安心材料がある一方で、少しでも知識がある人からは価格と性能のアンバランスさに対する厳しい意見が多い傾向にあります。

話題になった動画と闇の存在

「パソコン有償譲渡会の闇」という言葉が広く知られるきっかけとなったのは、2024年9月にあるPC修理系のYouTuberが公開した潜入レポート動画でした。

この動画では、専門家の視点から譲渡会で販売されているパソコンのスペックと価格を分析し、「市場価格に比べて著しく割高である」と指摘。CPUの世代が明記されていない問題点などを具体的に解説し、大きな反響を呼びました。

しかし、この動画は数日後に「当社の都合で削除する」という告知とともに非公開となりました。

削除の経緯は明らかにされていませんが、動画投稿者の固い表情などから、視聴者の間では「主催者側から何らかの圧力がかかったのではないか」という憶測が広まりました。この一連の出来事が、「やはり何か隠された“闇”があるのではないか」という印象を決定づけることになったのです。

パソコン有償譲渡会が詐欺と言われる理由

パソコン有償譲渡会が詐欺と言われる理由
  • やばいと言われる低スペックPC
  • 公開されないPCのスペック情報
  • 販売価格は適正なのか
  • なぜプロは買わないのか
  • 購入はあくまで自己責任で
  • パソコン有償譲渡会が詐欺かの最終判断

やばいと言われる低スペックPC

やばいと言われる低スペックPC

譲渡会が「やばい」と評される最大の理由は、販売されているパソコンのスペック(性能)が、現代の基準ではあまりにも低い点にあります。チラシで「初心者様に扱いやすい入門機種」として紹介されている2万円台のモデルを例に見てみましょう。

  • CPU: Intel Celeron(世代不明)
  • メモリ: 4GB
  • ストレージ: SSD 120GB

一見するとSSD搭載で良さそうに見えますが、問題はCPUとメモリです。CeleronはCPUの中でも最も性能が低いグレードであり、メモリ4GBはWindows 11を動かすには最低限のラインです。これにより、ウェブサイトをいくつか開いただけ、あるいは動画を再生しただけで動作が極端に遅くなる可能性が高くなります。「やばい」という評価は、この価格でこの性能では実用に耐えない、という厳しい現実を指しているのです。

公開されないPCのスペック情報

さらに問題なのが、パソコンの性能を判断する上で最も重要な情報の一部が意図的に伏せられている点です。特に問題視されているのが「CPUの世代」が明記されていないことです。

例えば、同じ「Core i5」という名前のCPUでも、2015年製の第5世代と2022年製の第12世代では、性能に雲泥の差があります。車のエンジンに例えるなら、「排気量2000ccです」とだけ言われて、どの年代のエンジンか分からないのと同じ状態です。

世代が違うと性能は数倍変わる

CPUの性能を客観的に示す「PassMark」というスコアで比較すると、古い世代のCore i5のスコアが3,000程度であるのに対し、新しい世代では15,000を超えることもあります。

性能が5倍以上違うにもかかわらず、譲渡会では同じ「Core i5」として売られているのです。このスペック情報の隠蔽が、不誠実であり詐欺的だと批判される大きな要因となっています。

販売価格は適正なのか

販売価格は適正なのか

結論として、譲渡会で設定されている販売価格は、そのスペックに対して適正とは言えません。市場の相場と比較すると、1.5倍から3倍程度の価格設定になっているケースが多く見られます。

実際に、譲渡会で販売されているパソコンと、一般的な中古PC専門店で同価格帯で販売されているパソコンのスペックを比較してみましょう。

項目パソコン有償譲渡会のPC中古PC専門店のPC(参考例)
価格(税込)41,800円39,800円
CPUCore i3 (世代不明)Core i5 (第8世代)
メモリ4GB8GB
ストレージSSD 128GBSSD 256GB
OSWindows 11 HomeWindows 11 Pro

一目瞭然ですね。ほぼ同じ価格にもかかわらず、CPU、メモリ、ストレージの全ての項目で専門店の方が圧倒的に高性能です。譲渡会のPCには2年保証や互換オフィスソフトが付いていますが、それを考慮してもこの価格差を埋めるのは難しいでしょう。

なぜプロは買わないのか

パソコンの知識がある「プロ」や詳しい人が、有償譲渡会のパソコンを購入することはまずありません。その理由は、これまで述べてきた問題点に集約されます。

  1. 価格と性能が釣り合っていない:市場価格を理解しているため、同じ金額を出すならもっと遥かに高性能なPCが買えることを知っています。
  2. スペック情報が不透明:最も重要なCPUの世代を隠している時点で、公正な取引ではないと判断します。
  3. 致命的な制約事項:ノートPCなのに「バッテリーが機能しない」ことを前提としている点や、付属Officeが互換ソフト(WPS Office)である点など、実用上の妥協できない問題が多すぎます。
  4. Windows 11の要件問題:販売されているPCの多くが、Microsoftが定めるWindows 11の公式システム要件(CPUが第8世代以降など)を満たしていません。これにより、将来のアップデートで不具合が起きるリスクを専門家は理解しています。

これらの理由から、プロの目から見ると、譲渡会のパソコンは選択肢にすら入らない、というのが実情です。

購入はあくまで自己責任で

購入はあくまで自己責任で

これまでの情報を踏まえると、パソコン有償譲渡会での購入は非常に高いリスクを伴う選択であると言えます。法的に詐欺と断定することは難しいですが、情報格差を利用したビジネスモデルであることは明らかです。

購入する際には、数々の制約事項が記載された「同意書」へのサインが求められます。この同意書の内容を理解し、納得した上での購入は、すべて「自己責任」となります。

同意書に書かれた主な注意点

  • 内蔵バッテリーは充電機能を有しないこと(消耗を理由とした返品は不可)。
  • 付属のオフィスソフトはWPS Officeであり、これを理由とした返品は不可。
  • 細かな傷やデザインなど、新品同様の品質を求めないこと。
  • 自分でWindows 11へアップグレードした場合は保証対象外となること。

特にパソコンに詳しくない方が「保証があるから安心」と安易に考えて購入すると、後で「こんなはずではなかった」と後悔する可能性が高いです。これらの条件をすべて受け入れられるか、購入前に冷静に判断する必要があります。

パソコン有償譲渡会が詐欺かの最終判断

この記事のまとめ

  • 主催はJEMTCという一般社団法人で反社ではない
  • 「官公庁」「譲渡会」という言葉で安心感を演出している
  • ネットの評判は保証を評価する声と価格・性能への批判に分かれる
  • YouTuberの動画削除騒動で「闇」のイメージが広まった
  • 販売PCのスペックは現代の基準ではかなり低い
  • 最も重要なCPUの世代が明記されていない点が問題
  • 市場価格の2倍以上で販売されており価格は適正ではない
  • 情報が不透明で価格に見合わないためプロは絶対に買わない
  • バッテリーが機能しないなど実用上の大きな制約がある
  • 購入は同意書にサインした上での自己責任となる
  • Windows 11のシステム要件を満たさない機種が多い
  • 法的に詐欺ではないが情報弱者をターゲットにした商法と言える
  • 同じ予算なら中古PC専門店の方が圧倒的に高性能なPCが買える
  • 購入を検討するなら専門店のサイトと比較することが不可欠
  • 最終的な判断は個人の自由だが極めて慎重になるべき
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