都市ガスエリアなのにプロパンの謎!料金や違いを徹底比較したので参考にしてみてね!

「都市ガスエリアなのにプロパンなのはなぜ?」と、引越し先のガス設備を見て疑問に思ったことはありませんか。
この記事では、都市ガスのメリット、デメリットとは?という基本情報から、プロパンガスのメリット、デメリットとは?までを丁寧に比較します。
さらに、万が一のガス漏れ時のニオイと安全性の違いや、結局のところどっちが安いのか、そしてなぜプロパンガスの料金が高い理由があるのかについても深く掘り下げて解説します。
「都市ガスエリアなのにプロパン?自宅の状況を確認したい」という方のために、自宅のガスの簡単な見分け方から、供給エリアの詳しい確認方法、少し専門的な都市ガスの12A、13A調べ方まで、具体的な手順を紹介。
一人暮らし、二人暮らしの料金比較データや、月々のガス使用料の目安は?といった日々の生活に関わる情報も満載です。この記事を読めば、都市ガスエリアなのにプロパンを選ぶ際の視点が明確になり、ご自身の状況に最適な選択ができるようになります。
この記事で分かること
- 都市ガスとプロパンガスの根本的な違い
- 都市ガスエリアでプロパンガスが使われる背景
- 自宅のガス種別を確認する具体的な方法
- 自分の生活スタイルに合ったガスの選び方
都市ガスエリアなのにプロパンが使われる理由
- 都市ガスのメリット、デメリットとは?
- プロパンガスのメリット、デメリットとは?
- ガス漏れ時のニオイと安全性の違い
- 結局のところどっちが安いのか
- プロパンガスの料金が高い理由
都市ガスのメリット、デメリットとは?
都市ガスを選ぶ最大のメリットは、プロパンガスに比べて料金が安い傾向にある点です。都市ガスは、地下に埋設されたガス管を通じて各家庭に直接供給されるため、プロパンガスのようにボンベを配送するための人件費や運送費がかかりません。この供給インフラの違いが、月々のガス料金の差となって現れます。
また、ガスボンベを設置する必要がないため、家の外観がすっきりする点や、残量を気にする必要がない点もメリットと言えるでしょう。
都市ガスのデメリットと注意点
一方、都市ガスのデメリットは、供給エリアが限定されていることです。ガス管の敷設には莫大なコストがかかるため、主に人口が集中する都市部に限定されており、日本の国土全体で見ると供給エリアは約6%にとどまると言われています。
そのため、都市ガスエリア外にお住まいの場合は、利用したくてもできないのが現状です。
さらに、初期導入時の工事費用が高額になるケースがあり、災害発生時には地下のガス管網全体を確認する必要があるため、プロパンガスに比べて復旧に時間がかかる傾向があります。
プロパンガスのメリット、デメリットとは?
プロパンガス(LPガス)の最も大きなメリットは、供給エリアに縛られず全国どこでも利用できる点です。ガスボンベさえ設置できればよいため、都市ガスの供給が行き届かない郊外や山間部でも安定したエネルギー源となります。
また、プロパンガスは災害時に強いエネルギーとしても知られています。地下の配管網に依存しないため、配管の破損といった影響を受けにくく、ボンベと簡単な設備があればすぐに復旧が可能です。実際に、災害時には避難所や仮設住宅の熱源として活躍しています。
火力の強さもプロパンガスの魅力
プロパンガスは都市ガスに比べて単位あたりの熱量が約2.2倍高いという特徴があります。そのため、同じガス機器を使ってもパワフルな火力を得やすく、特に強い火力を求める中華料理店などでは、あえてプロパンガスが選ばれることもあります。
しかし、プロパンガスの最大のデメリットは、都市ガスよりも料金が高くなることです。ボンベの配送コストが価格に上乗せされるほか、料金体系が自由化されているため、ガス会社によって価格に大きな差が生まれます。契約する会社によっては、相場よりもかなり高い料金を支払うことになる可能性もあるため注意が必要です。
ガス漏れ時のニオイと安全性の違い
都市ガスもプロパンガスも、本来は無色無臭ですが、ガス漏れにすぐ気づけるように玉ねぎが腐ったような独特のニオイが付けられています。しかし、漏れた後のガスの挙動には大きな違いがあるため、正しく理解しておくことが重要です。
それぞれの性質の違いは、ガス漏れ警報器の設置場所にも関係しています。ご自宅の警報器がどこにあるかを確認することで、安全対策への意識も高まります。
項目 | 都市ガス(天然ガスが主成分) | プロパンガス(液化石油ガス) |
---|---|---|
空気との重さ | 空気より軽い | 空気より重い |
漏れた際の挙動 | 天井付近に溜まる | 床付近に溜まる |
ガス警報器の設置位置 | 天井近く | 床近く |
もしガス漏れに気づいたら
ガスのニオイに気づいた際は、絶対に火気を使用しないでください。換気扇や照明のスイッチも着火源になる可能性があるため、操作は避けるべきです。まずは窓やドアを大きく開けて換気し、ガス栓を閉めてから、契約しているガス会社に速やかに連絡してください。
結局のところどっちが安いのか
結論から言うと、一般的には都市ガスの方がプロパンガスよりも料金は安くなります。地域や使用量によって差はありますが、プロパンガスの料金は都市ガスの1.5倍から2倍近くになることも珍しくありません。
この価格差の主な理由は、供給コストの違いです。都市ガスが大規模なインフラで効率的に供給されるのに対し、プロパンガスは各家庭への個別配送が必要となり、その分のコストが料金に反映されます。
「プロパンガスだから高いのは仕方ない…」と諦めるのはまだ早いかもしれません。プロパンガスは自由料金制なので、ガス会社を切り替えることで料金を大幅に下げられる可能性があります。複数の会社から見積もりを取り、料金プランを比較検討してみることをおすすめします。
ただし、アパートやマンションなどの集合住宅では、建物全体で一括契約しているため、入居者が個別にガス会社を変更することは原則としてできません。この点が、プロパンガス料金の節約を難しくしている一因でもあります。
プロパンガスの料金が高い理由
プロパンガスの料金が高い背景には、前述の配送コストに加え、「無償貸与契約」という業界特有の商慣習が大きく影響しています。
これは、アパートや新築戸建てを建てる際に、ガス会社が給湯器やガスコンロなどの設備費用を肩代わりして無償で設置する契約のことです。オーナーは初期費用を抑えて物件を建てられるというメリットがありますが、ガス会社はその設備投資費用を、月々のガス料金に上乗せして回収します。
その結果、入居者は相場よりも割高なガス料金を支払うことになります。さらに、この契約は10年~15年といった長期間にわたることが多く、途中解約しようとすると高額な違約金を請求されるケースもあるため、注意が必要です。
近年、この不透明な料金体系が問題視され、経済産業省はガス料金と設備費用の切り分けを明確にするよう指導を強化しています。しかし、長年の慣習がすぐになくなるわけではなく、依然として多くの物件でこの契約形態が残っているのが実情です。
都市ガスが利用できるエリアにもかかわらずプロパンガスが導入されているアパートが多いのは、この「無償貸与契約」がオーナーにとって魅力的だから、という側面があるのです。
都市ガスエリアなのにプロパン?自宅の状況を確認
- 自宅のガスの簡単な見分け方
- 供給エリアの詳しい確認方法
- 都市ガスの12A、13A調べ方
- 一人暮らし、二人暮らしの料金比較
- 月々のガス使用料の目安は?
- 都市ガスエリアなのにプロパンを選ぶ際の視点
自宅のガスの簡単な見分け方
ご自宅で使われているガスが都市ガスかプロパンガスかを見分けるのは、実はとても簡単です。いくつかのポイントを確認するだけで、誰でもすぐに判別できます。
3つのチェックポイントで見分ける!
- 屋外の設備を確認する
最も分かりやすいのが、建物の外にある設備です。大きなガスボンベが設置されていれば、それはプロパンガスです。一方、屋外には壁に取り付けられたガスメーターがあるだけで、ボンベが見当たらなければ都市ガスである可能性が高いです。 - 室内のガス警報器の位置を見る
前述の通り、ガスの性質によって警報器の取り付け位置が法律で定められています。キッチンなどにあるガス警報器が天井近くの高い位置にあれば都市ガス、床に近い低い位置にあればプロパンガスです。 - ガス機器のラベルを調べる
ガスコンロや給湯器本体には、対応するガスの種類を示すシールやラベルが貼られています。「12A」や「13A」、「都市ガス用」と書かれていれば都市ガス、「LPG」や「プロパンガス用」と書かれていればプロパンガスです。
これらの点を総合的に確認することで、確実にご自宅のガスの種類を特定できます。引越しの際などは、内見時にチェックしておくと安心です。
供給エリアの詳しい確認方法
「この物件は都市ガスが使えるの?」と疑問に思った場合、その地域の供給状況を正確に調べることが大切です。確認方法は、お住まいの状況によって異なります。
賃貸物件(アパート・マンション・戸建て)の場合
賃貸物件の場合は、不動産会社や物件の管理会社、大家さんに直接問い合わせるのが最も確実で早い方法です。ガスの種類は重要な設備情報の一つなので、契約前に必ず確認しましょう。
持ち家(戸建て)の場合
ご自身の持ち家の場合は、その地域でガス導管を管理している「一般ガス導管事業者」のウェブサイトで確認できます。例えば、関東圏であれば東京ガスネットワーク、関西圏であれば大阪ガスネットワークなどが該当します。事業者の公式サイトには、供給エリアを検索できるマップやサービスが用意されていることが多いです。
前面道路までガス管が来ていても使えない?
注意したいのは、自宅の前の道路まで都市ガスの本管が来ていても、そこから敷地内に引き込むための工事が行われていないと都市ガスは利用できない点です。引き込み工事には数十万円の費用がかかることもあり、この初期費用がネックとなってプロパンガスを使い続けているご家庭も少なくありません。
都市ガスの12A、13A調べ方
都市ガスには、熱量や成分の違いによっていくつかの種類があり、現在、家庭用として主流なのは「13A」です。ごく稀に古い建物などで「12A」などが使われていることもあります。
使用しているガスの種類とガス機器が適合していないと、不完全燃焼などを起こし大変危険です。ガスの種類は、以下の方法で確認できます。
- ガス機器本体のラベルを確認する
ガスコンロの側面や電池カバーの裏、給湯器の正面などにあるラベルに「13A用」といった記載があります。 - ガス会社の検針票(ご使用量のお知らせ)を見る
検針票にも契約しているガスの種類が記載されています。
現在、日本で供給されている都市ガスは、熱量の高い天然ガスを主原料とする13Aにほぼ統一されています。そのため、新しくガス機器を購入する際は、基本的に13A対応のものを選べば問題ありません。もし不明な点があれば、契約しているガス会社に問い合わせるのが確実です。
一人暮らし、二人暮らしの料金比較
生活を始めるにあたり、月々のガス代がどのくらいになるのかは気になるところです。ここでは、一人暮らしと二人暮らしの平均的な月額ガス料金を、都市ガスとプロパンガスで比較してみましょう。
以下の表から分かるように、いずれの世帯でもプロパンガスは都市ガスに比べて料金がかなり高くなる傾向が見られます。特に、お湯の使用量が増える冬場はその差がより顕著になります。
世帯 | ガスの種類 | 月額料金の目安(年間平均) |
---|---|---|
一人暮らし | 都市ガス | 約3,000円~3,500円 |
プロパンガス | 約5,000円~6,000円 | |
二人暮らし | 都市ガス | 約4,500円~5,000円 |
プロパンガス | 約8,000円~10,000円 |
※上記の金額は、全国の平均的な料金データに基づくあくまで目安です。お住まいの地域、契約しているガス会社の料金プラン、季節、生活スタイルによって実際の料金は大きく変動します。
月々のガス使用料の目安は?
ガス料金は「基本料金」と、使用量に応じて変動する「従量料金」で構成されています。そのため、月々のガス使用量を把握することが、節約への第一歩となります。
一般的に、一人暮らしの平均的なガス使用量は5㎥程度、二人暮らしでは10㎥程度と言われています。ただし、これはあくまで目安であり、ライフスタイルによって大きく異なります。
ガス使用量が増える主な要因
- お風呂の追い焚きを頻繁に行う
- シャワーを長時間使用する
- 毎日湯船にお湯を張る
- 自炊をよく行い、煮込み料理などが多い
- 食器洗いにお湯を使う
特にガスの消費が大きいのは給湯です。冬場は水温が低いため、同じ温度のお湯を作るのにも夏場より多くのガスを消費します。検針票で使用量を確認し、ご自身の生活でどの部分がガス使用量を増やしているのかを考えてみると、効果的な節約方法が見つかるかもしれません。
都市ガスエリアなのにプロパンを選ぶ際の視点
この記事のまとめ
- 都市ガスは料金が安いが供給エリアが限定的
- プロパンガスはどこでも使えるが料金は割高
- 料金の差は主に配送コストの違いによる
- プロパンガスは災害からの復旧が早いメリットがある
- ガスが漏れた際、都市ガスは上に、プロパンガスは下に溜まる
- 安全のためガス警報器の位置は法律で決まっている
- 都市ガスエリアでプロパンが使われるのは初期費用の問題が多い
- 特にアパートでは設備をガス会社が負担する慣習がある
- その設備費用は月々のガス料金に上乗せされている
- 自宅のガス種別は屋外のボンベの有無で簡単に見分けられる
- ガス会社の公式サイトで供給エリアの確認が可能
- プロパンガスは会社変更で料金を下げられる可能性がある
- 集合住宅では個別のガス会社変更は原則できない
- 料金だけでなく災害時の強さなども含めて総合的に判断しよう
- 自分のライフスタイルに合ったエネルギー選択が重要
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